文章を分かりやすく書こう
文章を分かりやすく書くために、次の点に気を付けてみましょう。
1 主語と述語を対応させる。 |
日本語は、文の主語があいまいな言語です。
主語がなかったり、句点が打たれず、文章がだらだら続いたりすることも少なくありません。
小説の場合は、それも一つの表現技法ですが、相手に正確に伝えるための文章では、主語と述語をしっかり対応させていくことが必要です。
特に次のような文は「ねじれ文」と呼ばれ、改善が必要です。
(例) 私の夢は、医者になりたい。
→私は医者になりたい。
→私の夢は医者になることだ。
2 一文を短くする。 |
先ほど説明したように、日本語の文章は文が区切られず、長くなってしまいがちです。正確に相手に伝えるためには、一文を短くして、接続詞で結ぶことが効果的です。
(例) 唐辛子は辛いために、多くの動物は唐辛子を食べるのを避けるが、鳥は辛さを感じないため、唐辛子を食べることができ、鳥に食べられることによって、種はより遠くに運ばれて子孫を増やすことができる。
→唐辛子は辛いために、多くの動物は唐辛子を食べるのと避ける。しかし、鳥は辛さを感じないため、唐辛子を食べることができる。鳥に食べられることによって、種はより遠くに運ばれてあちこちで子孫を増やすことができる。
3 同じ言葉を繰り返さない。 |
文章を分かりやすくするためには、同じ言葉を繰り返さないことも大切です。前の文で分かり切っていることは省略することができます。また、指示語を使えば、表現はよりシンプルになります。文末表現は変えた方が、視覚的にも読みやすくなります。
(例) 唐辛子は辛いために、多くの動物は唐辛子を食べるのと避ける。しかし、鳥は辛さを感じないため、唐辛子を食べることができる。鳥に食べられることによって、種はより遠くに運ばれてあちこちで子孫を増やすことができる。
→唐辛子は辛いために、多くの動物は食べるのを避ける。しかし、鳥は辛さを感じないために、唐辛子を食べることができる。そのことによって、種は遠くに運ばれてあちこちで子孫を増やすことが可能になる。
4 副詞や接続詞を正しく呼応させる。 |
副詞や接続詞の中には、特定の語と呼応するものがあります。
副詞 | 決して~ない、たぶん~だろう、まさか~まい、もし~たら、たとえ~ても、なぜ~か、ぜひ~たい、まるで~ようだ |
接続詞 | なぜなら~からだ |
特に大切なのは「なぜなら~からだ」です。「なぜなら」を使ったら、必ず「からだ」を入れます。「なぜなら~」と「~からだ」の文が分かれたり、離れてしまうのも分かりにくいのでやめましょう。
(例) レジ袋は有料にすべきだ。なぜなら、それによってエコバッグを使う人が増える。また、捨てられたレジ袋を動物が飲み込んでしまうという事故もなくなるからだ。
→レジ袋は有料にすべきだ。なぜなら、それによってエコバッグを使う人が増えるからだ。また、捨てられたレジ袋を動物が飲み込んでしまう事故もなくなるはずだ。
5 敬体か常体に統一する、話し言葉を使わない |
文章を分かりやすく書くには、読み手をしっかりイメージすることが必要です。文章(書き言葉)は、不特定多数に読まれる可能性があり、話し言葉よりも公的なものです。学校で書く作文や論文などは、会ったことのない大人に読まれることをイメージして書くとよいでしょう。このイメージができていないと、文章の中に敬体(ですます体)と常体(である体)が混在したり、話し言葉が入ってきて、文章が分かりにくくなります。
なお、作文で使わない方がよい話し言葉には、以下のようなものがあります。
実際の文章のなかで、改善すべきところを探してみましょう。難しいですよ。頑張って!
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